マリオカートにみるゲームバランス

ゲーム業界では「ゲームバランス」という言葉がよく使われる。

「ゲームバランスがいい」「悪い」というような感じ。
これは遊びやすさや楽しさのバランスでもある。

敵と戦うゲームの場合、敵が強すぎても弱すぎてもいけない。
結構、ゲームそのものを作るよりも、このゲームバランスとバグ取りに時間が掛かると言われている。

任天堂のゲームの多くは、このゲームバランスが恐ろしいほど「素晴らしい」
最近子供(6歳)がマリオカートwiiにはまっていて、対戦ばかりしている。
普通ゲームと言えば、大人が手を抜いて丁度いいぐらいになる。
が、マリオカートは本気で挑まないと子供にも負けてしまう。

実はこれはゲームバランスが大きく影響している。

キャラクターがものすごい数がいるんだけど、
メインキャラクターと言えるマリオ・ヨッシー・ピーチ姫などは運転がしやすくて上位に入賞しやすくなっている。
逆にワリオやクッパなど本来敵キャラは運転が難しくて、正直勝てない。

既にキャラクターを選択する時点で自ずとハンデを付けられるようになっている。
クッパに負けたくないマリオ。
子供はやっぱり人気のマリオやヨッシーを選んだりする。
「やっつけてやる」なんてわざと大人はクッパにしたりする。

しかし、このキャラクタによるハンデだけではない。

アイテムというものがマリオカートにはある。
道路にそこら中転がっているアイテムを拾うと攻撃や防御ができる。
アイテムはスロットのようにランダムに決定されるが、このアイテムの「えこいひき」がすごい。

雷や亀の甲羅など攻撃アイテムは「自分より上位だけ攻撃できる」
なので、すぐに追い抜いたりすることができる。
上位は攻撃されやすいというハンデを背負う。

かなり遅れている時は、加速するアイテムがごろごろ出てくる。
例えビリでも一気に中盤まで追い上げることができる。

このアイテムによるえこひいきにより、みんな勝てる可能性が出てくる。
スロットでランダムのように見せかけて、実は調整されているのだ。

そしてコースに特には意味のない大ジャンプ台が設置してある。
上手な人はついついジャンプしたがる。
その間に普通に走るカートに抜かれたりする。
これも自分でハンデを無意識に選択していることになる。

コースはものすごい数があり、ジャンプが多いところ、カーブが多いところ等、自分が得意のコースを見つけ出すこともできる。

あらゆる方法で「気がつかないうちに腕前の均等化がされている」のだ。

この「気がつかないうちに」というのがミソ。
子供も大人に勝って、本気で喜ぶし。
大人も子供に負けて、本気で悔しがる。
子供だって手加減されて勝っても嬉しくないのだ。

ゲームバランスという見えない部分で、ものすごい努力がされている。

僕らのビジネス的に言えば、ある一言が実は重要な意味を持っていたりする。
伏線だったり、防御だったり、誘導だったり、などなど。
心を動かす言葉は、決してストレートな言葉である必要はない。

うまく隠された言葉によってメッセージを読む人の心を揺り動かすのが、本当にすごい文章なのだと思う。
レターもバランスがいいものにしなければならない。

マリオカートをやるときは、その絶妙なゲームバランスを意識してみて。