僕だって怒るのだ

サラリーマン時代、「仏のヨッシー」とかいう妙な呼び名をされたことがある。

何があっても怒らない、驚かない。
ということからついた呼び名。

お客さんの強烈なクレームに対しても、
社内での部下のビッグミステイクにも、
冷静沈着に対応してたりした。

もっとも、自分のミスに対しても平気なので、
その辺は注意されたりしてたけど。

驚きや怒りという感情が爆発している状態では、
冷静な判断が出来なくなってしまう。
勢いで行動してしまうと事態が悪化することはよくある。

そういう緊急事態だからこそ、ゆっくり冷静に対応が必要なのだ。

では、どうやって驚かず、怒らないようにするか…。

実はちょっとした秘訣がある。
それは…。

全て予測しておくこと。
予測と言っても大げさな事じゃなくて、様々なシチュエーションをチラッと想定するということ。

眉間にしわを寄せるように深刻に考えることではない。

たとえば…
「携帯電話を水の中落としてしまう」
「携帯電話を盗まれてしまう」
「携帯電話をどこかに置き忘れてしまう」

じゃーどうする。ってことまで考える必要はない。

「あり得ること」を考えるだけで、「あり得たとき」に冷静になれる。

お客のクレームに対しても…
「返金要請が一斉に来る」
「苦情の電話が掛かってくる」
「家に突然やってくる」

みたいなことをチラリと想像するだけで、もう冷静でいられる。

僕がサラリーマン時代に常に冷静でいられるのは、
そういうシミュレーションをいろんなパターンで試していたからなのだ。

そして今日。冷静になれずに怒った。

団地の駐輪場のペンキ塗りが行われていた。
「●月●日~●月●日までの間で行います」とは連絡が来ていたが、
自分が利用している場所が今日だとは知らなかった。
というか告知はなかった。

自転車は全部別な場所に移され、そして僕の原付バイクが…
駐輪場と撤去された自転車の中間に斜めに置かれていた。

「あれ?」とこのときに思った。
近づいてみると、バイクにはペンキの粒が無数に飛び散っている。
100以上は点々と。まるで模様のようになっている。

そして、2カ所、手でぬぐったような痕が残っている。

これで推理できた。
恐らく自転車は撤去したが、バイクは重いのでそのまま放置。
ペンキを塗り始めたが、飛び散ってしまった。
慌ててバイクを移動させた。

だから変な場所に変な方向を向いて止まっていたのだ。
実際、他の原付バイクは駐輪場に残されたままだ。

通常、こういう時は「養生」といって、シートをかぶせる。
それをやらなかったからこういう事態になった。

ペンキ塗りの案内の時点で多少のペンキがつくことは予測していた。
だけど、ここまでひどいとは思わなかった。

ペンキを塗っている人を呼び、怒った。
「どうするの、これ」(–#)

僕が怒る理由は、職人さんの手抜きが原因だからだ。

 1)ペンキを塗る日の告知をしていなかった
 2)養生をしなかった
 3)ペンキがついてすぐに除去をしなかった
 4)手でぬぐって済ませている

シンナーを使って、だいたいの部分は取り除くことが出来た。

しかし…

シンナーとは有機溶剤。
黒いシートと黒い収納ケースが白く濁った。

まぁ、これ以上怒ってもしょうがないので、
「もういいよ」って、ことで終わり。

まったくとんでもない日だった。